散歩道<1094>
経済気象台(42)・行政は使命感と覚悟を
強盗が狙うほどの大金が動くパチンコ・パチスロ遊戯店。時として朝の出勤時間帯前から若者が店の前に列を成す。一獲千金を夢に見、額に汗せずして生活費を稼ごうとする彼等の日常は往々にして消費者金融と隣あわせである。身を持ち崩す人、借金に困り犯罪に手を染める人、家庭の崩壊など多くの惨事の直接、間接の原因ともなっている。もう一つ。小学生でも容易にアクセスできるインターネット上の卑猥(ひわい)極まりないサイト。青少年の性的堕落を招き健全な成長を阻害することは必至、性犯罪に巻き込みかねない。中には反社会勢力の資金源につながるものもあるのではないか。さらには手を替え品を替え異性との出会いを勧めるサイトやeメールも氾濫している。今の日本ではこれらが放置されたままである。それらが法律上の賭博罪や、わいせつ物頒布罪、あるいは売春の罪などに該当するのかどうかは知らない。だが、国がまともな国を目指すなら直ちに規制を強化し、行為を禁止し、断固として取り締まるべきである。もちろん、商売の自由や利用者の自己責任という視点もあるだろう。だが、国を挙げて経済活性化のため、産業発展のために規制緩和を勧めれば進めるほど、一方で国全体としての規範が重要となる。新宿・歌舞伎町の浄化が進んでいる。性風俗の店があふれ客引きがそこここでうごめき、えたいの知れない外国人がたむろする。庶民に恐怖感すら与えた歌舞伎町がである。まさに歓楽街浄化を目指す東京都の条例改正と取り締まりの成果である。次は性風俗営業そのものの撲滅にも期待したい。町がそれにより寂れることはやむを得ない、要するに日本社会の軌道修正である。それが行政の決意次第で可能になる。その大いなる一歩と喝采したい。行政は使命感と気概、覚悟をもって取り組んで欲しい。
'06.6.29.朝日新聞
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