散歩道<1076>

              世界経済リポート 中国企業,元高で転機に「薄利大量輸出」難しく(1)          (1)〜(2)続く                

 生活雑貨や衣類などの薄利多売で成長してきた中国企業が経営改革をせまられている。ドルに対して人民元がわずかだが強くなり、「薄利」を海外への大量輸出による「多売」でカバーすることが難しくなっているためだ。危機感を抱いて、付加価値の高い製品を作り出したり、品質管理を強めたりする企業などがでてきた。70年代、ドル安円高の大波の中で構造転換を勧めた日本企業とかさなる動きだ。

「2%で利益が吹っ飛ぶ」
上海近郊の江蘇省常熟市。犬の首輪や散歩ひもを製造している。「常熟昌順ペット用品」の張常勝総務部長は、田んぼに囲まれた従業員40人という小工場で試作品をチェックしていた。「『子犬』では勝てない。猛犬か馬で勝負だ」と激を飛ばし、馬の手綱と大型犬用のひもの開発を進めている。いまの主力商品は単価1元前後の子犬用ひもだ。新商品開発を決意させのが昨年7月の人民元の対ドル2%切り上げだった。同社の製品のほとんどは米ウオールマートや日本の百円ショップ最大手の大創産業など欧米向けに輸出されている。05年は子犬用のひもを中心に500万個を作って800万元を売りあげたものの。1個あたりの利益は0.2〜0.4元。わずか2%の切りあげでも、薄い利益は吹っ飛んでしまう。そこで、米国で需要が高まっていて、単価が25元、1元以上の利益確保できる馬の手綱を主力に切り替え1千万個をつくる予定だ。上海から南に300`、アクセサリーや文房具、ゲームセンター向けの人形などの小物メーカーが集積する浙江省義烏(イーウ)市。鏡や絵画のフレームメーカー華鴻集団のキョ品忠・董事長(会長)は「コスト改革を急がないと会社はつぶれる」と危機感をあらわにする。ほぼ前商品が米欧や日本向けで決済は米ドル。昨年の元切り上げで、契約済み商品の出荷額は、人民元では契約金額より280万元(3900万円)目減りした。
 
'06.6.19.朝日新聞


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'06.7.7.朝日新聞によると今年5月1j8元を突破した人民元の為替相場が、6月末から7元台で定着してきたそうだ。