散歩道<962>
「ニホン」?「ニッポン」?
話し言葉は「ニホン」 日本*1、ニッポン、会社や学校名などによく使われる日本の字、でも全日本空輸はニッポン、日本大学は日本と読むのが正式だそう。やっぱり読み方は分かれるのね。国立図書館では、題名に日本が含まれる16万8千冊の読みを「日本」に統一して分類しているのだって、NTTの電話番号案内はどちらの読みでも検索できます。例えば日本銀行。電話すると受付は「ニホンギンコウです」だが正式な読み方を聞くと「お札の後ろにもあるように、ニッポンと読んで下さい」。問い合わせに「ニホンですよ」と答えた会社が、後で「ニッポン」でした。と訂正してくることもある。調査の結果はニホンが1300、ニッポンが350あまり。平松様の労作はホームページ「音読の部屋で」公開されている。日常会話でも断然「ニホン」が断然多いようだ。調べたのは国立国語研究所で話し言葉を研究している前川喜久雄様1417人の会話や講演で使われた752万語のデーターベース「日本語話し言葉コーパス」の中で、「日本」がつく言葉は8242件。その内98%が「にほん」と発音している。比較的「ニッポン」と読まれているのが「日本」と日本代表」。約2割の人がニッポンと発音していた。そういえばトリノ五輪でも「がんばれニッポン」の声援が飛んだね。」前川さんは「『とっても』『すっごい』などのように、言葉の間に促音の「っ」が入ると強調した感じになる。外国を意識した時に、『ニッポン』と力が入る方の言い方になるのかも知れない。
奈良時代は「ニッポン」 そもそもニホンか、ニッポンか、文化庁国語科は「政府として呼び名を決めたことはない」という。そもそもどうして2通りの読み方があるのだろう。「安土・桃山時代に来日した宣教師が使ったローマ字の本には、すでにNipponとNifonが出ています」と話すのは宇都宮大教授小池政治さん。ただ、漢字の「日本」は奈良時代、中国で死亡した遣唐使の墓に見られる。当時の中国読みでは、「日本」は「ニッポン」と発音されたという。一方、ひらがなとカタカナは平安時代に生まれたが、促音の「っ」を仮名表記するようになったのは、後の室町時代になってから。それまでは、かなでは「にほん(ニホン)」としか書かけなかったが、「ニッポン」と読ませたらしい。この表記を、文字どおり「ニホン」と発音する人が出てきた、と小池さんは推測する「つまり」、「ニホン」は元々誤読だったんです」内閣が告示した常用語漢字表には「日」の読みとして、「にち・じつ・ひ・か」とあり、「に」はない。「日」を「に」と読むのは「日本」のときだけ、と小池さん、「統一」する必要はありませんが、元々がニッポンだったことは知ってほしいですね。
'06.3.4.朝日新聞
備考:関連記事<177>*1、<1382>日本とは、日本人とは、