散歩道<934>
大集合・(445)1780・(129) 耕論・最期は好きにさせてよ(3)・「おうち」で死ねる社会に
ただお年寄りが望むように死ねる社会ではありません。
9月に亡くなった俳優の樹木希林さんが16年に広告で「終活宣言」した「死ぬときぐらい好きにさせてよ」は注目を浴びました。裏を返して言うと、好きに死ねない社会だからこそ響いたのでしょう。
超高齢社会では死に方が変わってきました。高齢者の死はゆっくり死。がんをはじめ死期が予測できるようになった。認知症もゆっくり進みます。
「臨終に立ち会いたい」と思い込まなくてもいい。私は「看取り立ち会いコンプレックス」と呼んでいます。死を予期する時間は十分あるのだから、別れと感謝はその前にしておけばいい。
在宅看取りのためには医療と介護の一体運用が必要。国は社会保障費削減という不純な動機から在宅医療を推進していますが、多くのお年よりは「おうち」での最期を望んでいます。動機は違っても呉越同舟で同じ方向に向かうのは悪い事ではありません。
現場で強調されているのが高齢者の意思決定支援。本人より家族の意思が優先されがちでは、「好きに死ねる社会」は実現しません。<検>世相、<検>時代
'18.10.18.朝日新聞・社会学者・上野 千鶴子