散歩道<866>

                  大集合(390)・1668・ 思想の言葉で読む21世紀論象徴的貧困(2)    (1)〜(3)へ続く
                         過剰な情報が画一化促す

 昨年12月末、東京・駒場の東京大学で「象徴的貧困」をテーマのひとつにした国際シンポジュ−ムが開かれた。フランスから参加した哲学者のスティグレール氏にインタビューする機会があった。「現代の大きな危機は、象徴的貧困が進んだ為に、自分と他の人間を区別する境界があいまいになったことなのです」とスティグレールはいう。「その結果、自分が確かに存在しているという感覚が失われ、自分を本当に愛することもできなくなっている、そうした人間の危機がさまざまな社会問題や事件も引き起こしている。特に犠牲になっているのが、幼い時から大量の人工的なイメージに囲まれた子供達だという。「文化産業によって人間の意識や精神までがコントールされる。こんな時代は歴史上になかった」メディアの多様化は進んでいるのに、なぜ人々の意識は同じ方向に向かうのか。それは、どのメディアも同じ数量化された商業主義的な枠組みで情報を扱っているからだという。「メディアの多様化といわれるのは、実は偽りの多様化 に過ぎない」象徴的貧困からの出口はないのか。スティグレール氏は個人が情報を発信できるインターネットには期待を寄せる。「情報の作り手と受け手が同じ立場に立つ自由な共同体が生まれる可能性がある」 '06.2.14.朝日新聞

散歩道<130>昔の魔法・現代の魔法<619>谷藤悦史氏衆議院選・前面に出た首相の「私」・「熟慮の政治」抑制懸念

備考:この文章を読んで考えたこと:検索で新聞を見ても項目だけであるし、”お気に入り”に入っているものしか読まない習慣は、正にこのことを指摘されているものと思う。