散歩道<769>

                      散歩道・面白い話・大集合(309)・1527

                        面白い話(86)パニック・ゴシップ・根城
                            
1525  牧羊神パンの怒り「パニック」
ギリシャ神話に登場する神々の中でも、牧羊神パン(Pan)ほど一風変わった個性をもった神もいないだろう。狩人、牧童、家畜を守るというこの神様、上半身は人間、下半身は山羊(やぎ)、頭には山羊の耳と二本の角があり、全身髪もじゃの醜男ときているから、女性に言い寄られてもいつもふられてばかりいた。そんなパンの最大のお楽しみはといえば、昼寝をすることしかない。この唯一の楽しみを妨害するものがいると、彼はたいへんな勢いで怒り出し、人や家畜に恐怖(panic)を与えたという。そういえば、石油ショックのとき生じたパニック、多分に主婦たちの大企業の物資隠匿にたいする怒りと抗議の意味があったようだ。樋口清之様

1526 楽しみながら神様とつきあう法「ゴシップ
 
ある女性週刊誌の編集長によるとこの種の雑誌にゴシップ記事が欠かせないのは、それがもっとも女性の噂話に乗りやすく、それに伴って雑誌の名前が吹聴される効果があるからだという。文字どおり「雑談、世間話、悪口、陰口」を意味する「ゴシップ
(gossip)」の効果をならっているわけだ。ところが、この語の語源をたどると意外なところにたどりつく中世英語の「ゴッドシブ(godsibf)」がそれで「神との関り合い」という意味がある。それが、「親友」とか、「友だち」を示すようになり、親友にだけ話す話、つまり現在のゴシップの意味になった。噂話をしながら、神様とおつきあいができるとは、西洋の神様も意外に物分りがよい。(樋口清之様)
                             
1527 主流派武士のホーム・グランド「根城」
 
武家政治の代表的建築物と言えば城である。この城は、外敵をむかえうつ戦闘にも使われたが、領内を統治し、権力を誇示するシンボルでもあった。ここを根拠地にして、各地の統領とその部下達は、内外に権勢を振るったわけである。彼らにとって、この「根城」こそ、最大の生活の基盤だった。なかには、戦闘たびに、やとわれる一匹狼やジプシー的な野武士集団もいたが、主流はえられず弱小グループの城を出なかった。現代では、この根城も、二重、三重の壕をめぐらしたような大建築ではなく、ごみごみした盛り場におかれるようになったらしい。そのせいか、「根城」という言葉も、反主流的なニューアンスが強い樋口清之様