

散歩道< 70 >
生きる音
ロープウエーと、八甲田スキー場
5月の青森県八甲田山から十和田湖へぬける道を車で走っていくと、長い雪にうずもれた木々の間から、ものすごい鉄砲の玉が飛んで行くような音にあう。最初は何の音かと驚くと思う、あまりパンというものすごい音が、山を通りすぎる間ずっと聞かされるからである。おそらく、昨年の11月ごろからの雪(氷)から開放されて、その雪(氷)をはじき飛ばす気持ちが、伝わるように聞こえる。最初は竹か(イネ科か竹科)その種類の植物なら、このようなこともありえると考えたが、司馬遼太郎様の本では、岩手県一関ぐらい迄が、竹の北限(ほくげん)*1であるという話を聞いた記憶がある。その音は実に力強く、感動を持って聞くことになる。
山を降りて津軽平野の板柳、木造り方面に行くと、もも、りんご、さくらんぼう等の受粉の時期を迎え、何ともいえない甘い香りを何キロにわたって、車の中から嗅ぐことになる。顔もなんだかべっとりしてくる。ここにも自然の喜びを感じることになる。
8月青森や弘前で行われる、ねぶた踊りに若者がぶち当てる情熱は、昨年の冬の長さからくる重苦しさを、一気にはじき飛ばす北国の燃えるようなエネルギは住んでみた人にはわかる。これは雪国の自然に生きる逞しい人の音である。
2013年5月27日 行を変える
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備考:<2324>言葉・北限・竹