散歩道<6978>
経気台(929)・産業としての責任
北海道の酪農は、生産量の増加にひっしに取り組んでいる。全国の酪農家個数の減少はとどまらず、生乳生産もピーク時の約20年前には860万トンあったが、昨年度は738万㌧に減少した。その中で北海道への期待が高まっている。北海道も農家戸数は減少しているが、政策や乳価上昇の後押しを受け規模拡大を進めながら380万~390万トンの生産量を維持してきた。
合言葉は「産業としての供給責任」それと同時に」大規模化に伴う輸入穀物飼料への依存の高まりと、糞尿処理問題、ロボット搾乳に代表される多額の投資をもたらしている。
それによって、規模拡大を進める農家と現状維持の農家の間に「悲しき分断」生まれている地域もある。乳業メーカ―には、TPP11や日欧EPAによる輸入原料価格の低下を歓迎するという冷静な対応も見られる。
供給責任の名のもとに、酪農家は不安を抱えながら、時に長時間労働に従事している。従業員も大変で、酪農に夢を持ってきた若者が、その厳しい現実にうちのめされている。
産業の責任を果たそうと規模拡大している酪農家を責めることは出来ないが、供給だけが産業の責任ではない。地球環境への責任、次世代に持続可能な酪農を引き継いでいくという責任もある。
そしてそれは酪農家だけが背負うものではない。毎日当たり前に低価格で牛乳を買えている消費者にも果たすべき責任はある。
過酷な労働と多額の投資に不安を抱える酪農ではなく、未来に持続する仕事に楽しさと誇りを持って働ける酪農がよいと思うなら、消費者と酪農家、乳業メーカー、そしてかかわるすべての人達が一緒になって責任ある酪農の姿を考えることが今こそ必要である。<検>経気台、<検>企業
'19.7.3.朝日新聞
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