散歩道<6888>
                                インタビユー  平成から令和へ・財政の機能不全(1)

 
平成を通じて、日本の財政は膨らみ続けた。国の一般会計の歳出は100兆円規模、国と地方借金は1千超円と国内総生産の約2倍に匹敵する。なぜこんな状況に陥ったのか。どうすればよかっったのか。地方財政審議会会長などを歴任し、政府の経済財政運営に物申す立場だった財政学者の陣野直彦さんに聞いた。

 
成長狙う減税失敗 増税策欠き 借金増 貧富の差広がった     
  
・・・国の財政から見ると、平成はどんな時代でしたか。
 「『悪循環』の時代です。経済成長を目指したものの、増収も成長も出来ず、社会保障サービスは抑制が続き、貧富の差が拡大した時代だと言えるでしょう。本来の財政とは、社会に生じる様々な困難を解決して、国民を幸せにするもの。それなのに、財政が逆にに人々を不幸にしてしまった。財政の機能不全です」
・・・・元年(1989年)に消費税が導入され、段階的に税率が引き上げられた平成は増税の時代」だったのは。
 それは誤解です。国民所得に対する租税の負担率を見ると、平成のピークは89年度、90年度の20.7%。その後は下がりました。最近は持ちなおしたものの2018年度は24.9%です。昭和の時代は国が借金をしても財政赤字はさほど増えなかった。税収も増えていたからです。平成に入ると税収が一気に落ち、歳出との差が広がった。90年代前半まではバブル経済の崩壊が原因でしたが、後半以降は政府が構造改革の名の下で進めた政策減税によるものでした」
<検>政治、<検>経済

'19.4.23.朝日新聞・東大學名誉教授・神野 直彦氏