散歩道<6802>

                      経気台(902)・活ルールにもの申す

 経団連会長の就活ルール廃止発言を受け対応を検討してきた政府の連絡会議が今週取りまとめを発表した。IT系や外資系企業をはじめとしたルールの形骸化が進む中で、中長期的観点から採用活動の在り方を議論すべしとの経団連の問題提起であったが、今後とも日程ルールを現状維持とする方針を示すにとどまった、学生の混乱を避ける配慮は理解できるが、新卒一括採用さらには終身雇用や年功賃金など、我が国独自の雇用慣行の見直しを含めた本質的な議論が先送りされたのは、非常に残念だ。
 そもそも就職・採用活動は自由な競争市場の下で行われることが基本であり、業界団体の指針などで縛られるべきではない。競争制限的な紳士協定では抜け駆けが横行し、正直者の企業や学生が馬鹿を見るだけだ。いわんや、政府主導で企業に足並を揃えるよう求めるに至っては、かっての裁量行政の発想である。
 大学関係者は就活の日程ルールがなくなると学生が学業に専念しにくくなると懸念するが、実際には、内定をもらってしっまうと遊びやバイトに明け暮れる学生が少ない。かれらの心配をするくらいなら、単位取得や卒業の要件を厳格化して教育の質の保障につとめるべきではなかろうか。
 もともと今回の議論の根底には、世界で戦える人材をいかにして育てるか、そのために大学の教育はどうあるべきか、という問題意識が存在していたはずだ。。国際派の経団連会長ならではの見識であったとと思うが、政府のとりまとめでは、全く素通りされてしまった。グローバルな人事競争に伍していくために必要なことは、学生の市場価値を高める教育と彼らが切磋琢磨する環境の整備であって、日程ルールの問題ではない。
<検>経気台

 '18.9.13.朝日新聞