散歩道<6790> ・・・・・・1300b

                          樹木希林さん 友と交わした言葉(1) 死ぬことは、だれかの心の中で生き続けること

 「死ぬときぐらい好きにさせてよ」「生きるのも日常、死んでいくのも日常」・・・独特の死生観で多くの共感を呼び、9月に75歳で亡くなった俳優樹木希林さんには、本命「内田敬子」で私信を交わしてきた37年来の友人がいた。ふたりのやり取りからは、晩年の希林さんがたどり着いた境地の一端が浮かびあがる。
 「うらを見せおもてをみせてちるもみじ」
 江戸時代後期の僧、良寛の辞世の句だ。希林さんと長年の友人で、何必館
(かひつ)・京都現代美術館長の梶川芳友さんはしばしばこの句について語りあったという。
 希林さんはこう語った。
  「裏から始まる所がすごい。年や経験をかさねても、人間は表裏を持ち続けているという本質を見抜いた人の句ね。こうありたい」
ふたりは別の良寛の句「散る桜残る桜も 散る桜」も好んだ。

 だれにも等しく訪れる死に人は一喜一憂するが、終わりが決まらないのに、そこにいたる生き方が定まるわけがない。
  「そう考えると、心強いわね。でも、死ぬことは誰かの心の中で生き続けることなんじゃないかしら」 <検>人<検>教養、  
  

                                     8