散歩道<6733> 946から移動
経済気象台(28)・3つの課題
世界経済は4~5%と高い成長を続けている。なぜそれが成り立つているのか、と言えば、大きな要因の一つは米国が果たしている金融的な機能だろう。巨大な国際収支赤字を出しながら世界経済への需要を拡大し、供給された流動性は再び米国債への投資などによって米国に還流する。その関係が続く中で米国の高成長があり、新興工業国とりわけBRICS経済の目覚しい拡大がある。米国の高成長の柱は世界にとっても魅力のあるイノーベーション、米国に流入した移民を中心とする人口増による需要の増加である。 米国はイノーベーションと、基軸通貨国としての流動性供給によって世界経済発展のすそ野をひろげ、自国も世界も成長する構図を作ってきた。その良かった面は十分評価しつつ、同時に問題点にも目を向けておく必要がある。
その第一として、この構造はいつまでも続くわけではない、と思われることである。とりわけ米国への資金の還流は直接投資から 債権投資、特に米国債投資へと「金融」的な性格を強めており、米国の金利政策への依存度も高まっている。米国の成長率はより適正範囲に抑制される必要があると思われる。
第二は、この流動性供給・資金還流という回路からはみ出す資金やファンドがどういうビヘイビアを取るか。その力が大きくなっただけに重要な課題である。それは規制すれば済むようなことではない。「マネーとは何か」、その本質を問い直す中で生まれる回答があるように思われる。
第三は「何のための成長か」という視点がいよいよ大切になったことである。経済成長は全ての問題解決の決め手ではない。環境問題をはじめ、新たな困難も次々に生み出しつつある。経済成長が人間、また人類の幸福のためである、と言うなら「その幸せとは何か」である。これら三つの課題は一つにつないでこそ根本からの解決も出来ると思われる。