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安藤忠雄さんからあなたへ(2)・人間も建築も自己中心では限界がある
ようやく、その真意を理解できたように思います。建築とはあくまで環境芸術、建築家の仕事とは、建物を通じて場所をつくること・・・・・」その教えを思い出したころから、というわけではありませんが阪神淡路大震災の後、「ひょうごグリーンネットワーク」なる植樹運動をはじめました。始まりは、12万5千戸の復興住宅風景を目にしたときです。急な事業であったし。1戸づつは過不足ない近代住宅でしたが、街並みとしては、それが並べられただけの淋しい風景でした。その家々の隙間を樹木で埋めよう、それを被災者自身が行い、コミュニティー復活の手がかりにしよう、というのが運動の趣旨でした。1軒につき、2本、計25万本を目標にはじめ、多くの人の助けを得て現在35万5千本。環境づくりという意味で、自分では一番大きな建築の仕事と受け止め、今も続けています。何か、作ろうと思うなら、自己中心的世界では限界があります。大切なのは、いつも周りとの関係を考えること。これは、建築でも。人間でも、同じですよ。
2005年10月26日 '05.10.24,朝日新聞
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