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アイデンティティー(1)・個人は自意識ある歯車・国家は感情論でうごくな<1> <1>~<2>つづく
キーワールドで考える戦後60年を幸福(1)~(2)、アイデンティティー(1)~(2)、自由(1)~(2)を報告します。
海上自衛隊のイージス艦を舞台にした小説「亡国のイージス」を書いたのは97年、29歳の時だ、巨大な予算を使ったハリウッド並大型スペクトルを日本で成立させるにはどうすればいいか。「日本では自衛隊を登場させるしかない」が自分なりの結論だった。自衛隊には法的にも政治的に制約が多く、たとえば米国映画にように「悪」が現れたら軍隊がすぐ出動して解決するように単純にはいかないことがわかった。最初は「まいったなあ」と思ったが、それならいっそ、自衛隊の「組織としては存在するが、実際にはなかなか動けず戦えない」という点がドラマになるのではないかと考えた。逆転の発想である。「亡国のイージスでは」個人を上回る巨大な組織の力に対して個人はどう振舞うべきかもテーマとして扱っている。人間は組織を構築し、その中でしか生きていけない。つまりは組織の歯車の1つになるわけだが、その組織の行為が社会的には「悪」だとみなされるような場合、「自分は加担するのがイヤだ」と歯を食いしばって踏みとどまることができるか。今まで日本の教育ではそこまでとどまる人は愚かだとされてきたが、個人としてのアイデンティティーはそこに生まれるのだし。大きく言えばそこに今後「世界が救われるかどうか」がかかってくる。小説には「個人は自意識をもった歯車たれ」というメッセージを盛り込んだ。'05.8.17.朝日新聞、作家福井晴敏氏
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