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高階秀爾様の・美の現在(4)・古径・自然への精密な観察眼近代に連なる日本の美 (1)~(4)と続く
散歩道<5581>~<55829>の文章を読み、又、'05.7.29.朝日新聞記事、小林古径展”裸体を意識させぬ「髪」”を読み、ここで語られているところを探してみようという気持ちで展示会を見に行った。入った真中の入口の前には、女性の動きが実に詳細に捉えられており、又、髪1本1本が丁寧に描かれている、2人の女性の実に見事な絵画であった。又、手の描写が実に自然であるのが解かる。また、植物も1枚1枚の葉や、茎が丁寧に描かれている。虫食い状態の葉がその通りかかれていたりする。その絵が出来上がるまでの下絵が、何枚もスケッチされたものが展示されている。古径様の場合は安井曾太郎様のように、ヨーローッパから帰国後も影響を、あまり受けたと思われないことだ。描こうと思われたその時から、いい出来あがりへの構想の練り直しが何度もなされていたという事だ。絵の背景には余分なものは何も取り除かれた、気迫のようなものすら感じる。”髪”は裸体画として日本ではじめて切手に選ばれたものだそうだ、私には清潔感がある素晴らしい絵というように見えた。この絵画展の中に(戦後2~3年後の)昭和23年頃のものがあったが、他の作品と変わらない実に心が落ち着く作品に見えた。何もない戦後のどさくさの時代でも、”古径様”は、そのような事情に影響されることなく、絵を描かれていたのであろうかという思いでこれらの絵を観ていた。
'05.8.3.朝日新聞、高階秀爾様
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