散歩道(5267)
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幸せ大国をめざして(17)・デフレの教訓・ゆとり・価値観の多様化拡大 社説 (9)〜(17)続く
日本経済は90年代後半、地価と物価の下落が続くデフレ経済に突入した。有力企業が相次いで破綻し、多くの人が職をうしなった。生じたひずみは大きかった。一方でデフレが私達の暮らしにもたらした「プラス」もある。かっては企業の接待需要で潤った銀座。最近は数千円で利用できるバーやレストランが増えた。大通りの銀行の支店の後は、パソコンのショールームや海外ブランド店に姿を変えた。先月下旬、東京湾岸部で高層マンションのモデルルームが相次いでオープンした。70u5千万円前後。バブル崩壊直後の92年当時の宮沢内閣は、個人が豊かさとゆとりを実感できる「生活大国」を目指す中期計画を掲げた。その後のデフレ経済が、数値目標の達成を後押しするという、皮肉な結果になった。例えば年収の7倍以上だった大都市圏の価格を、「5倍程度」にするという数値目標。東京圏の新築マンションの価格はバルブ期の3分の2程度に落ちこんだ。郊外のマンションなら2〜3千万円の物件も多い。サラリーマン年収の5倍以内で買える。通勤ラッシュの混雑率を、文庫本がようやく読める200%から「新聞が読める180%も、03年の混雑率171%とクリアした。年間総労働時間2000時間余りから、「1800時間」へと引き下げる目標も達成した。勿論デフレがもたらしたマイナスも少なくない。「右肩上がりの成長の前提が崩れ、失業や所得減によって、ローンが払えなくなったケースが目立つ」。家計経済研究所は93年当時24〜34才の女性1500人の暮らしぶり、追跡してきた。結婚や出産、再就職、夫の転勤など暮らしが変わる中で、それぞれの家計の所得格差は拡大し、しかもその格差が固定化する傾向が強まっていた。樋口美雄慶応大教授はバルブ崩壊後15年で暮らしを変えた転換点が2度あったと指摘する。新卒市場が冬の時代に突入した92年。雇用条件が不安定なフリーターと、正社員との2極化が進んだ。企業のリストラが本格化し始めた97年を境に男性の雇用が減らされ、女性より男性の失業率が高くなる傾向が強まった。女性パートを中心として非正規社員に置き換えられる流れが影響している。家計調査では、勤労世帯の実収入は97年ピークにあと落ち続け04年ようやく上昇に転じた。「これからは、働き方の違いが、所得格差の固定化や階層化につながらないよう、改めていくことが必要だ」と樋口美雄慶応大教授。ファイナンシャルプランナーはあなたの夢はなんですか?と聞くと。「昔は多くの人が自動車を買い替えたいとか、同じような夢をもっていた。ところが今は安全な家を買いたい、年1度は海外に旅行したい、高齢だが海外にホームステイしたい、など価値観も夢もさまざまだという。バブル時代までの私たちは、ひたすら所得を増やし、たくさんのモノをもつことに熱狂してきた。その欲求がなくなることはこれからもないだろう。ただ、熱狂時代へ後もどリすることが本当の「生活大国」への近道とはいえない、という教訓だけは学び取っている。
'05.7.10.朝日新聞
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備考:幸せ大国をめざして<1240>(1)〜(2)、<1433>(3)、<2946>(4)〜(5)、<2977>(6)、<3048>(7)〜(8)、<4991>(9)、<5047>(10)、<5113>(11)、<5135>(12)、<5152>(13)、<5167>(14)、<5223>(15)、<5252>(16)
備考1:この回5.267は(A).実質=5.218回で、会社員(37年間(月3×年12回×37年間)に書いた情報(会社に提出した)文章・(B).1.332回加えますと=A+B 計6.550通になります。
備考2:この他、週のテーマ696通(月4×年12回×14年6ヵ月)書きました。 (部所内で発表:会社に提出と自宅にも保管中)2014年1月27日