散歩道<5230>
宮崎駿監督、新作「風たちぬ」20日公開
主人公は実在の人物 ■ 分かりにくさに意味(2) (1)〜(2)続く
二郎の人物像は、観客の共感を拒むところがある。ゼロ戦を海、結果的に戦争に協力したわけだが、それを二郎がどう考えていたのか、この映画は分かりやすい説明をしない。彼の両儀的な生き方をイデオロギーで加工することなく、生のまま描きだしたように見える。
「僕も若い頃は、戦争責任があるかないかという見方をしていた。しかし跡の世から断罪するのは簡単。一方で、ゼロ戦を作った優秀な技師として二郎を祭り上げる動きもあります。何れも、あの時代の空気を肌で感じようと」していないと思う」
ある時代を生きる人間は必然的にその時代の矛盾を抱えこむ。現代を生きる自分たちもそうだという。
「一つの時代を遠くから見て、灰色だとか決め付けることは間違っている。もし、二郎の責任を問うのなら、飛行機を生む素地となったモダニズムそのものを断罪すべきです」
技法的にも方程式を壊す様々な試みがなされている。例えば二郎の声をプロの声優ではなく、俳優ですらなく、「エアバンゲリオン」シリーズの庵野(あんの)秀明監督に演じさせた。
「海外ドラマの声優たちの、手慣れたしゃべり方は聞くに堪えない。二郎の声には角が取れていない人がいいと思いました。庵野の声は人を信用させるところがあるんです」
音声をモノラルにしたのも、現代の方程式からはずれている。「耳のそばで突然変な音が聞こえたりすることがなく、音が聞こえたりすることがなく、音がずっと豊かになった。ただ、今モノラルで録音するのは手間であることも知りました」
エンディングで流れる荒井由実の「ひこうき雲」には、LPレコードの音を使った。「雑音が入るのがいい。音響監督が針を落とす音も拾ってくれました」。プロペラ音や地鳴りなど様々な音を人間の声で再現したのも面白い挑戦だ。
方程式を一度崩して、新しい地平へ向けて一歩踏み出した宮崎監督。「今回は準備期間を含めて5年も考え抜いたから、次に進む方向が見えるかと思ったけど、まだ何も見えtいません。あっという間の5年でした。年を取るのは簡単ですね。茫然(ぼうぜん)としています。'
13.7.16.朝日新聞
関連記事:散歩道<検>文化、<検>教養、<検>戦争、<5165>富田勲さんのシンセサイザー・「初音ミク」
'13.9末、目途に新しいHPのsiteを立ち上げる見込みです。今、調整中です。'13.8.22.
'13.10.2.新しいsite立ち上げることが出来ました。このsiteはスマートフォンからでも見ることが出来るようになりました。