散歩道<5178>
インタビユー オピニオン・経済学は無力か(5) (1)〜(6)続く
武器は秩序感覚 派手な論争でなく 等身大で考える
■ ■
・・・近年、世界経済のカジノ化に金融工学のような先端的な経済学が手を貸してきました。いや引っ張ってきたといってもいい。この罪は深いのではないですか。
「それについて経済学者の社会的な責任はあると思います。1998年に破綻(はたん)した米国ファンド、LTCMはノーベル経済学賞をとったマートンとショ−ルズによって権威づけられました。民間の意思決定のなかに学問の権威を使って入り込んでいくのは、批判を受けてしかるべきです」
・・・世界中が望む危機の処方箋が、最近のノーベル経済学賞でテーマにならないのは残念です。
「経済社会全体のあまたの現象からみれば、経済学者が扱っている分野はほんの一部にすぎません。理屈だけをもとに、どこまで全体を相手にできるかというとなかなか難しい。それでも経済学の考え方の何がいいかというと、長い目でみたときの秩序感覚が備わることです。合理性、経済効率性、長期の維持可能性といった点です。そういう思考方法をもった経済学者が政治家と話したり、政策当事者として入って貢献したりすることはできると思います」
「経済学者ケインズも優れた秩序感覚の持ち主でした。有名な『一般理論』でケインズ経済学を打ち立てたことになっていますが、実はあれは理論書ではなく、その時々の政策パンフレットの集積でした。大恐慌後の新しい政策の合意形成を促す触媒だったと私は解釈しています」
'13.2.27.朝日新聞・一橋大大学院教授・斉藤 誠さん
関連記事:散歩道<検>政治、<検>社説、<検>言葉・*1サブライム・ローン、<検>*2言葉・自己責任、
![]()