散歩道<5160>
仕事力・心の光を消さないで(1)
強い思いが求められる
これからは個人のエネルギーが要る時代
私たちより少し前の時代は、家族と子どもの平穏を何よりも大切にして生きてきました。そういう人生だって波打つこともあったでしょうけれど、でも穏かな一生を守ることが生き甲斐だったと思います。
けれど今は、広く世の中や世界とつながり、私たちには、もっと大きく、エネルギーの必要なチャレンジが与えられている。ただ今までのスタイルに従って行くのではなく、自分で何が大切かを考え、クリエーティブな試みをする時代になりました。仕事は多岐に渡るし、こんなことまでしなくてはならないのかと困難を感じる日々もあるかもしれませんが、そうやって私たちは新しい時代の要求を大事にし、一生懸命にチャレンジする喜びを貰らえているのです。
勿論、それが多くの人間にとって難しいことと思います。きっと怖いはずです。でもその怖さを乗り越えていってほしいと思います。そのために一番最初言うべきことは「イマジン(想像)」なのです。
本当に大事なことをするときには、まず頭で考え、それをリアルな映像にして、自分で繰り返し見てください自分のハートの深いところにある思いを現実にする為に何度でも何が必要か何度でも確かめ、そして夢を人と分かちあうのです。
「一人で見る夢はただの夢」だけど「みんなで見る夢は現実になる」。私もそうやって仕事を実現してきました。
幼いジョンが抱いていた大きな夢
英国のリバープールにはジョンレノンが育った家が残っています。彼の部屋はわずか3畳ぐらいで、とても狭い小さな部屋です。両親と離別して伯母さんに育ってられ、寂しさや悲しみを感じていた少年が、その狭い部屋で自分がいつか音楽を通して大きなことをすると夢見ていたのは、本当にすごいことだと思います。
あなただって自分の城は4畳半か6畳の小ささかもしれません。でも自分が考えていることは大きく広げていける。強い思いから発しているクリエーティブなことは、世界中に伝わっていくものです。現在の若い人は、例えば絵を描くなら油絵の具が必要だとか、仕事に最新の機器がほしいとまず条件をそろえてもらおうとかいったことをします。でも牢獄に捕らえられている囚人は、どうしても何か書きたいとなったら、鉛筆1本さえなくても自分の爪で壁を引っかいて描き始めるでしょう。それほど人間が持つコミュニケーションの欲望はすごい。誰もが人にコミュニケートして、何かしようという思いを持つているものです。ジョン・ハリスンが「仕事は非常に大事なもので、幸福も自分にくれる。だから神聖なものだ」と言っています。私もまさにそうだと思います。仕事の中に自分の夢を見る。その光を抱き続けて下さい
'13.1.13〜2.3. .朝日新聞 オノ・ヨーコさん
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