散歩道<5134>
インタビユー・オピニオン・ナショナリズムを考える (5)
(1)〜(5)続く
本来は社会つなぐ 欠かせない接着剤 差別的思想とは
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・・・私たちはナショナリズムとどう付き合えばいいのでしょうか。
「いくつか、ヒントがあると思います。スポーツの例は重要です。印象に強く残っているのは、2002年の日韓サッカーW杯で、日本が敗北した後に、多くの日本人が韓国の応援をしていたことです。米国もサッカーが強くないので、2番目にひいきのチームを応援する人が大勢います。自国のチームが負けたから無関心になるのではなく、別の国を応援する。ナショナリズムとは、こんな形で昇華することもあるのです」
「ナショナリズムを中和するような情報についても考える必要があります。日本では韓流ドラマや歌手が人気ですが、米国人はハリウッド映画ばかり見ていて多様な文化に触れる機会が少ないのは問題でしょう。さらに重要なのは、移民の存在だと思います。グローバル化が進み、今後は多くの労働者が外国に移り住むようになります。日本政府の移民政策は評価できませんが、『外人が来たら、日本らしさが失われる』というような議論が出始めたら危険です。それはナショナリズムなどではなく、単なる差別主義なのです」
'12.11.13.朝日新聞・国民と国家について考える ベネディクト・アンダーソンさん
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