散歩道<5006>
経済気象台(723)・海外展開の目的と条件
日本企業の事業活動はすごい勢いで海外広がっている工場などの拠点の進出に加え、海外企業と合併で事業を興し、あるいは海外の企業を買収する。
中でも昨年度の日本企業による海外企業の合併・買収の件数・金額は過去最高だった。欧州危機の動向にもよるだろうが今年は更に増えるものと思われる。
買収の狙いは様々である。世界でのシェア拡大や、市場拡大が期待できる地域での拠点作りの他、技術ノウハウの取得による自社製品の競争力強化や資源権益の確保などが挙げられる。そのほかにも、本業における上流や下流事業を手に入れることでの基盤強化や、出遅れた分野のキャッチアップなどを企画する者もある。
だが、狙いに対して条件が100%合うケースはさほど多くない。また将来性がある事業の買収には大きなプレミアが付く。だから目に見える形で業績を押し上げるような海外企業の買収は簡単ではない。
環境の変化はかってないほど激しさを増している。その中で企業経営者は、自社の取り組む事業領域をどう再定義するか、組織の形をどうすべきかなどマネジメントの根本に関わる課題をあらためて突きつけられている。更に、それぞれの事業を誰に任せるのか、経営資源をどの分野に投入するのか、そして、どのような企業風土をめざすのか。海外が加わればこれらの課題は更に難しくなる。
趨勢(すうせい)にのりおくれまいと海外企業買収を焦るのは禁物である。追い風となる円高はまだ続くだろうし、海外の状況も変化する。よく見極めた上で決断してほしい。そして、海外への挑戦が日本経済の発展につながることを願っている。 '12.4.20.朝日新聞
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備考:海外事業の展開も5〜10年もたつと多くの企業で現地の人件費の高騰は当然考えられる、それらの諸々の要素に耐えられる計画でないと必ずしも海外へ出る意味はないように思うが。、