散歩道<4858>
岐路に立つ産業(1)・超円高 モノつくれぬ ・・・・ 企業
海外へ苦渋の移転(3) (1)〜(3)続く
「顧客求め韓国に拠点 国内選ぶ動きも」
円高などでかっての競争力を失いつつある日本のメーカーに代わり、韓国や中国が着実に力をつけ、生産も拡大してきた日本の先端素材や部品メーカーも需要取り組みに必死だ。
住友化学は韓国ソウル近郊に約190億円を投じた最新工場で、次世代型タッチセンサーパネルの量産を始める。スマートフォンなどに使う部品で、成長事業と見込む新分野だ。
納入先は韓国のサムスングループ。中小型の有機ELディスプレーの商品開発で先駆けるサムスンと関係を強め、競争力を強めることを狙う。岩田執行役員は「今はお客さんは韓国にしかなく、日本に工場を造る理由はない」と。
韓国には顧客となる世界的輸出企業があり、自由貿易協定(FTA)の推進や進出企業へのさまざまな優遇策も充実。日本企業にとって生産・輸出拠点としての魅力が高まりつつある。
樹脂原料となるアクリロニトリルは旭化成が韓国での生産を1.8倍に。大市場の中国への近さも決め手になる。
藤原取締役は「技術開発は日本に維持するが、量産場所は残念ながら日本は選択肢に入っていない」
「国内選ぶ動きも」
一方、あえて生産拠点を日本に移す動きもある。
パソコン世界最大手の米ヒューレット・パッカード(HP)は日本向けノートパソコンの生産拠点を東京都昭島市の工場に移した。年間生産台数は最大70万台で新たに200人程度の雇用が生まれた。
人件費で3〜4倍の差がある日本への「逆移転」の狙いは、納入スピードアップと客の求めの細かい対応、そして仕上がりの美しさ。
「品質面でのこだわり、美しさへのこだわりや細かい作業の器用さは日本生産しか得られないメリットだ」。
「MADE IN TOKYO(メード・イン・東京)」のシールを貼る。評判は海外にも伝わり今は国内向けだが、「日本」や「東京」のブランドに手ごたえを感じている。
「高級機種なら輸出も十分あり得る」と岡副社長は意気込む。
'12.3.20.朝日新聞、
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