散歩道<4834>
インタービユー・オピニオン・震災国の私たち
文明は磐石でない 無常観を抱きながら 積極的に、地道に (5) (1)〜(6)続く
○ ○
・・・どういうことでしょうか
「端的な例が鴨長明の『方丈記』です。鎌倉時代の随筆で、大火や飢饉、震災などを扱い、無常観の教科書といっていい。最後になんと書いてあるか。無常観に執着するのも仏の教えに反する、いっさい執着してはいけないのだから、無常観に執着するのもいけない。無常観を抱きつつ積極的に生きようというわけです」
「東京に木場という地名があります。江戸時代、金持や家主たちがここに大量の材木を常に貯木していた。火災は防げないが、焼けたら立て直す。大火は起きるもの、家は焼けるものという前提のもと江戸を運営していたんですね。これも積極的無常観の具現です」
・・・その伝統が現代に戻ってくるとは、どういうことですか。
「東京では帰宅難民対策とか、どう逃げるかといった想定や訓練を始めていますね。首都直下型大地震が起きたら、自分がいるビルが倒れるかもしれない。地下に閉じ込められるかもしれない。大規模な火災に巻き込まれるかもしれない。震災はいつか必ず来る、と東京の人たちは心の片隅においていませんか」
12.3.9.朝日新聞・劇作家・*1山崎正和さん
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