散歩道<4766>
                        
                          インタビユー・オピニオン・ドルの落日(4)                    (1)〜(6)続く
                      一極支配が失速 ゆらぐ基軸通貨 米に「失敗」の自戒   
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・・・米国は1971年に、ドルと金の交換を停止しました。その後、主要通貨は変動相場制(フロート)に移り、通貨価値の調整を市場にまかせました。それは正しかった?
  「好んで変動相場制にしたわけではない。ドルの値打ちが下がって固定相場制がもたなくなり、残された道がなかった。金と交換する必要はなくなったドルを膨張させ、経済成長をはかる麻薬みたいなもの、と危ぶむ人も多かった。でも変動相場制にすれば、黒字国の通貨は上昇し、赤字国の通貨は下落するから、貿易不均衡は自動的に調整されるはずだという理屈で正当化したんです。ところがそれが実現しなかった」
・・・誤算があったと。
  「もう一つ予想外だったのは市場の肥大化です。アングロサクソンの市場で起きた金融革命が世界中に広がった。情報技術(IT)と金融技術が進歩し、デリバティブ(金融派生商品)や証券化商品がどんどん開発された。さらに米国を筆頭に成長維持のための金融緩和が続き、お金が市場にあふれた。いま通貨の取引規模は1日に3兆jにもなっている。世界の国内生産(GDP)が年間で60数兆jなのに。モノやサービスなど実体経済の決済はわずかで、少しでも高いリターンを得ようとお金が世界中を動きまわっている」
・・・モノ作りの力が落ちた米国が金融で稼ごうと金融自由化を各国に迫り、市場を肥大化させたのでは。
  「市場は自由にしておけば大丈夫だ、金融工学でリスクは管理できるという根拠のない過信があった。そうした考え方の象徴が、グリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長でした」

'12.2.7.朝日新聞 元財務官・*1行天 豊雄さん 

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