散歩道<4655>
インタビユー・オピニオン・民主主義と独裁 (5) (1)〜(6)続く
競争激化し閉そく感 独裁の流れ世界で 止めるのは国民
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・・・・日本だけでなく欧米でも民主主義が機能不全に陥っています。
「グローバル化によって、政治が解決すべき問題が複雑になりすぎた。経済危機にしても、金融が国境を超えて動いているので、問題が国内にあるのか外国にあるのかさえ分からない。そういう状況では、国内の民意を政治に反映するという単純な民主主義は根本的に旨くいかない。何時まで立っても問題が解決しないので、民衆の不満が高まり、政治批判や官僚批判が出てくる」
「日本では1年ごとに首相が代わるように、政治の不安定化がずっと激しい。それは、ある意味では民主主義が進みすぎてしまったからです。90年代の政治改革は、自民党の密室政治や官僚主導を変え、民意を反映した民主主義を実現するのが目的でした。その流れの中で、政治家がテレビ出演し、支持率調査が頻繁に行われて、政治が人気によって左右されるようになった。国民の政治意識の高まりを伴わないまま、民意の反映を優先しすぎた為に、非常に情緒的でイメージ先行型の民主主義ができてしまった。民意の不安定性が政治そのものを不安定化し、政治が機能しなくなりました」
・・・・民主主義がうまくいかなくなると、何が起きるのでしょうか。
「いま、どの国もみんな閉塞感を持っています。経済がグローバル化しても、新興国の市場がどんどん広がっているので資源が足りなくなる。人口増加で食料も不足する。資源、食料、市場をめぐる非常に厳しい国家間競争の時代になっている」
「国家間競争に勝ち残るためには国内の不満を抑えなくてはならないので、強力な政府を必要とする。その極端な例が独裁なのです。ドイツの法学者カール・シュミットは『社会の変革期や戦争のような例外状況では民主主義が機能しなくなり、独裁が必要になる』と言いいました。今は国家が資源や食料をめぐって激しく競争する『例外状況』が日常的に続いている。中国の成長は、共産党の独裁だったことが大きい。ロシアもプーチン氏が大統領に返り咲く・フランスの人類学者エマヌエル・トッドは『近いうちにヨーロッパで民主主義は停止され、独裁政治が出てくるだろう』といい続けていますが、十分にあり得ます。事態を一気に動かすには独裁しかないのです
'11.12.1.朝日新聞・京都大教授・佐伯 啓思さん
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