散歩道<4398>
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経済気象台(660)・喫緊の課題を忘れるな
今年年頭のあいさつを思い出した。識者によれば今年の干支(えと)「辛卯」(かのとう)は、辛が文字通り辛酸辛苦を意味し、卯は門の内に問題山積している状態で、今年は困難な年になるだろうと解題されていた。
この干支のサイクルを2回り120年戻した1891年には、くしくも濃尾地震が起きている。マグニチュード8.0(8.4説もあり)、岐阜県、愛知県を中心に7千人以上の死者と全壊家屋14万棟以上の被害をもたらした。日本史上最大の直下型地震だ。
その直前の日本の経済は、デフレの荒波がようやく静まり、鉄道業、紡績業が勃興し、多種の企業の設立ブームとなったが、未熟だった資本市場で資金ショートを起こし、日本初の経済恐慌が起きている。そうしたなかでの大地震であった。時の内閣総理大臣松方正義は、復興対策の手を打つと共に、時代の要請を置き忘れることなく、殖産興業政策による日本の産業・資本主義の育成、近代化を推し進めた。
翻って今。福島原発という現在進行形の問題を抱えているが、被災者支援は遅れ、生活と産業の復興の道筋も見えてこない。政治のリーダーには、心を鼓舞する希望のよりどころを、何よりも最優先で示してもらいたい。同時に、「放置すれば日本経済は再生できなくなる」と年初に随分と喧伝(けんでん)された問題も置き去りにしてはなるまい。少子高齢化、巨額の財政赤字、税制改革、破綻懸念の年金と医療、TPP問題等だ。これらの課題を「東北復興=日本再生」と結びつける大胆な政策とシンボルを望む。
10年後に、みたび失われた*130年と嘆くことのないように。
11.5.7.朝日新聞
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備考:このテーマで、気になっていることを思い出した。今、東北大災害のこと以外地方が話題になることはないが、地方都市の経済的な疲弊は深刻なものだ、特に商店や中小企業等は大手企業の進出により経営を続けることが困難だという話を聴くことが多い、後継者の問題、資金繰りの問題等(小・中・高の同窓会に出席し知る)、これらを含め、日本全体がこの様な状態では、日本経済の先行きは本当に心配である。政治家は全国的なことも視野に入れて(現地に何度も足を運び)、今現在の日本の状況を考えて行動して頂きたい。2011年6月11日
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