散歩道<4394>         

                            経済気象台(656)・危機時の秩序と胆力

 海外のメディアから、日本の震災被災者の秩序だった行動に驚嘆の声が出ている。一方で電力会社や政府には、都合の悪い情報の隠蔽(いんぺい)、対応の遅さへの批判の声も上がる。
 危機に乗じて復興国債の日銀引き受け、救国増税など無秩序な議論が横行する。さらに東電や政府の初期対応の遅れが、経済負担を必要以上に大きくしている面もある。今こそ政府も被災者に負けない秩序と胆力を示さねばならない。
 具体策を検討したい、放射能で人が動けないなら、がれき撤去などロボットを総動員できないか。この分野で日本は世界最先端の技術を持っているはずだ。また火力やエコ発電の能力増強を急ぐと共に、変電所の建設を急ぎ、東西の周波数ギャップを埋める努力も必要だ。
 放射能汚染水が海に流入し続ければ,水産業への被害ばかりか、日本の港湾への外国船の入港拒否が広がり、海外から日本への物資供給が滞る。そこには資源を求めて戦争に突入した昭和16(1941)年の悪夢がよぎる。これは何としても避けねばならない。
 今回の大津波で、浜岡原発も福井県の原発も万全とはいえない。同様の事故が起きると、偏西風の関係で日本の中心部が危機にさらされる。東海地震のリスクもある。脱原発か、それとも震災補強か。いずれかが急務だ。
 危機を免罪符に無秩序な策を弄
(ろう)すれば、将来に禍根を残す。自粛が過ぎれば萎縮する。原発利権にも石油利権にも惑わされず、真に必要な手を打つ胆力で危機を乗り切るべきだ。
 今回、アフガニスタンなど決して豊かではない国からも救援物資が来ている。これらの国の温かい支援に答えなければならない

'11.4.3.朝日新聞

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