散歩道<4350>                     

                            3・11・記者有論・温暖化防止策               (1)〜(2)続く
                             原発は「解」ではなかった(2)

 ブームをつくったのは地球温暖化問題だ。原発は二酸化炭素(CO2)を輩出しないクリーンエネルギーと、もてはやされてきた。国際エネルギー機関が、CO2削減目標の達成には原発を毎年30基以上つくる必要がある、と試算したこともある。
 私自身も有力な「解」の一つかもしれないと思っていた。だが温暖化危機がどれほど切迫しようと、原発の巨大リスクはなくならない。そんな当たり前の事実をこの事故で思い出した。
 もちろん温暖化というリスクも無視できない。そのために太陽光や風力など自然エネルギーの普及は重要だ。しかし、そうした策だけで日米欧が10年後までにCO
2を2〜3割減らせるという主張は、現実を踏まえない幻想だ。原発推進論は、温暖化の現実と幻想の間の溝を埋める数少ない選択肢だった。
 残念ながらそれも「解」ではなかった。その「不都合な真実」を直視しなければならない。もはや原発推進を大前提にした過大なCO
2削減目標を見直し、真の行程表を作るときではないか。

'11.4.16.朝日新聞編集委員・原 直人氏

関連記事:散歩道 <検>災害、<検>環境、自然、