散歩道<4296>
                          世相(220)・イレッサー判決を見て、考えたこと

この情報を読んで、以前、製薬会社に席を置いたものとして、抗癌剤(イレッサーではないが)を説明したこともある。ガン治療に関して、最近一般の人も、医師も、考え方が大きく変わったという印象を持っているが、治療法は今も変わっていないと思われるので、考えていることを、敢えて報告すると

1、抗がん剤の使い方の難しさは、薬剤が正常な細胞にも、悪い細胞にも同じように作用することである。白血球や、血小板、リンパ球等の血液成分にも変化させるため、継続的に薬を投与するのが難しいことである。絶えず血液成分の変化に気をつける必要がある。
2、薬剤の作用が強ければ強いだけ正常な細胞にも与えるダメージは大きいのである。ガン細胞のみに作用する、抗がん剤がない以上、対処療法を併用し、相乗効果を期待する以外にないのである。
3、メーカーは、製品の発売前の治験や、その後の使用経験から、重篤な副作用が明らかにされている場合、その情報を正確に医師には伝え、又、医師は患者に、投与した時に起こりえる重篤な副作用の可能性についても患者や家族と、医師との間で、納得されてから、その薬剤は患者に使用されるはずである。
4、
私が医師に説明していた抗がん剤は、全例、薬剤投与の副作用状況を医師が、厚生省に報告して頂けることに約束して頂いた場合のみ、薬剤の販売を会社は許可した。メーカーが、このような方法を厚生省と約束しても敢えて販売した日本では、初めて抗癌剤であった。
5、製薬会社も国も、医師も、自分の立場が間違っていたとは、法事国家である以上、認めることはかなり難しいと思う。(裁判で負けを認めると、今までの行為が遡って追求されることにもなる)(重篤な副作用の可能性を患者・医師両方が納得した上でのみ)この場合は、患者に薬剤を投与することができるのである。薬剤は最大公約数の人に効いても、人それぞれDNAが違うように、同じような効き方をすることは難しいし、抗癌剤が効くようになったといっても、(私等の場合は精々15%程度)例え25%効いたとしてもこの数字は抗がん剤の有効率としては大変効果があると認めらた数字であるのである。
6、私の印象では、がん治療に対する考え方が、この10年で大きく変わったことである、1つは、患者に告知するのが普通になったこと。
むしろそれをすすめていること。2つは、ガンは治る病気であるという考え方が一般に認識されつつあるということである。

 今日私が考えるのはの日本が抱える最大の話題で人々が解決方法に頭を痛めている1人類のエネルギーと放射能の問題、2、ガン治療の問題、3、戦争のない世の中の創造への努力等は、100年後もこれ等の問題を決するための挑戦が2011年と同じように、世界で続いているのではないかと想像する。

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