散歩道<4209>

                              オピニオン・3.11.                          (1)〜(2)続く
                            復旧を超えた新しい国造り(1)

未曾有の災害と事故が重なった時、危機管理はどうだったのか。どうあるべきだったのか。政治はいま、何をすべきなのか。中央から指示が届かない、まっていられない被災地でどんな行動をとればいいのだろうか。

 「3.11」東日本大震災は政治や行政などのシステムを根本的に変える契機になるのではないか。
 政権交代はしたものの、政治は混迷する一方だった。衆参のねじれを盾にとり、野党は与党攻撃に終始。かたや与党は未熟さを露呈するばかりだ。善しあしは別にして、かっては「外圧」で政治が変わることがあったが、今は尖閣列島問題にせよ、普天間飛行場問題にせよ、政治が「外圧」を真剣に受け止めない。そんな停滞した政治を自然が直撃した。
 あの日、大きな揺れに立ちつくしながら思ったのは、「これで菅直人政権は続く」だった。政治休戦は当然だ。こうなれば野党が与党の足を引っ張ることは許されない。本予算と予算関連法、補正予算が3点セットで成立するのは明らかだ。ただ、政治はその先にいかねばならない。
 今回の地震は世界的に類例をみない。川は破れ、家は流れ、山は崩れた。被災地は漁業の拠点。私たちはそこから水産物やその加工品の恵みを受けてきた。壊滅なら日本の産業構造にも影響を与える。原子力発電所の事故はエネルギーのあり様について、深刻な議論を引き起こすだろう。

'11.3.17.朝日新聞・政治学者・*1御厨 貴さん

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