散歩道<4150>                         524から移動

                      奉仕ともなう? 逆ピラミッド型(1)
       (1)〜(2)続く    ・・・・・発想を変える 

 今私たちを取り巻く環境は恐るべきスピードで変化しゆれている。時代に遅れまいと、皆がわれ先にと道なき道を突き進んでいるようである。一方悲惨な出来事が相次いで起こっている。企業や家族、学校、地域など、社会におけるあらゆる共同体が、それを構成する組織のあり方や精神を見直す時期に来ている。私が社長に就任した2000年ごろ資生堂は業績が伸び悔み、抜本的な仕組み改革が急務となっていた。「顧客第一」を社是に掲げてきたものの130年を超える歴史のなかで制度疲労を起こしてしまっていた。市場の変化に対応できず、お客さまの満足を十分満たしていないという状況に陥っていたのだ。組織も知らず知らずのうちに本社ばかりに依存し、現場から乖離する体質になっていた。「店頭基点」をスローガンに経営改革を推し進めることにした。思い悔んだ末に思いついたのが「逆ピラミッド型」の組織運営であった。従来のピラミッドの組織を逆さにしたもので、組織の一番上にお客さまがあり、その下に販売社員、現場の上司、部門長、1番下に社長が支えるというかたちだ。私達はお客さまや社会に奉仕するのであるから逆ピラミッド型が当然のこと。「逆ピラミッド型」の組織で何より重要かつ不可欠なのはその根底にある「支え」「奉仕する」という奉仕者としての精神である。経営者が従来のように上から下へ指示、命令を一方的に与えるというスタイルは通用しない。現場の社員から提起される課題に真摯(しんし)に耳を傾け、聞き放しにせず丹念に改善策を提供する姿勢が欠かせない。聖書に「あたふるは受くるよりも幸いなり」とある。「与える」喜びはすなわち「支え奉仕する」ことに通じる。奉仕への思いはクリスチャンである私の心情から自然に生まれたものなのかもしれない。

'05.4.16.朝日新聞、資生堂社長
*1池田守男さん

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