散歩道<4118>
クルーグマン・コラム・アイルランドの苦境(4) (1)〜(4)続く
銀行の食い物にされる人々
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答えの一つはアイスランドは常軌を逸した銀行に貸し付けた外国の貸手に、その不十分な判断の代償を払わせ、悪質な民間債務を保証するために自国の納税者たちを危険にさらすようなことはしなかったということだ。国際通貨基金も言及しているように「民間部門の倒産は対外債務の著しい減少につながった」のだ。一方で、アイスランドは一時的な資本統制を課すことで、つまり居住者が資金を国外に持ち出すことを制限することで金融危機をある程度回避するよう促した。
アイスランドはまた、アイルランドと違って、自国の独自通貨をまだもっていたことに助けられた。(自国通貨の)クローナを切り下げることで輸出産業は競争力をつけることができ、アイスランドの景気の落ち込みを抑える重要な要因となった。
これらの非正統的な手段のどれもアイルランドは使えないと識者たちは言う。アイルランドは市民に痛みを強い続けるしかないのだ、他の方法では国の信用を致命的に損ねるからだ、と。
しかし、アイルランドは緊縮政策をとるようになって3年目になるにもかかわらず、国の信用は失われ続けている。まじめな人々に必要なのは、銀行家連中の罪悪のために民衆を罰するのは犯罪よりも悪質だと理解することなのだ。それは過ちだからだ。
'10.12.9.朝日新聞・米プリンストン大教授・*1クルーグマン氏
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