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                           三方よしの精神、発信を(2)

 会社というのは、それを構成する1人1人の人間が額に汗して働き、信頼し支えあってこそ、成り立つものだ。それぞれ会社の持つ文化や伝統、勤勉や誠実さといったかけがえのない価値もその中で継承され社会の基盤をなしていく。このように築きあげてきた企業社会が、単に資本と市場の原理で動かされてよいはずがない。この21世紀はむしろ経済が、心の充足という文化的豊かさを支える基盤となる覚悟で、時代を切り開いていきたいものだ。日本の地域社会に目を向けてみよう。現在、雇用の70%を支え、かつ数の面においても圧倒的な割合を占めるのは中小企業である。この中小企業とそこで働く人々が、現在の日本経済を支えているといっても過言でない。日本の社会は経済力や規模に勝る大企業だけでなく、地域に密着した中小企業が混然一体となって共生する多様性のもとに成り立つ。しかしながら昨今の市場競争の中にあっては、資本と支配の論理で大が小を駆逐するのを良しとする風潮が多々見うけられる。今日の行き過ぎた競争社会のしわよせをもっとも被っているのは、実は日本の社会を支えてきた中小企業とそこで働く人々なのである。もちろん健全な競争を否定するつもりは毛頭ない。ただし、自由競争にも一定の歯止めとルール*1が必要だ。本来自由とは無制限の活動を意味するのではなく、多様な価値を認め合い、共存し合えるような一定の制約の元で存在すべきなのである。

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05.4.11.朝日新聞、資生堂社長池田守男


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備考:三方よしの精神、発信を(1)は4052三方よしの精神、発信を(3)は523、にあります。