散歩道<4060>
                         経済気象台(631)・デジタル技術 

 1970年後半、家庭用のビデオデッキやビデオカメラが登場し、ブラウン管テレビとともに家電業界の先導役を務めた。やがて、DVD録画再生機がビデオデッキを抜き、テレビも薄型がブラウン管を駆逐した。
 その過程で、ビデオデッキやブラウン管テレビの生産は中国へシフト。国内生産は縮小し、下請け企業の破綻
(はたん)もあった。国際化という社会構造の変化だ。
 80年代 ファッション性の高いデジタル腕時計が流行ったが、携帯電話の普及で若者の腕から時計が消えた。消費者心理の移り気による消費市場の変化だ。
 90年代には小型デジタルカメラ
*1が登場。25万画素カメラは、技術開発で1千万画素へと発展、フイルムカメラは姿を消した。ドラマチックな技術革新による新旧交代だ。
 70年代のオイルショック以降、我が国輸出産業の後押しをしてきたのは、こういった技術革新だ。古い技術が消え、新しい技術が新しい製品を生み出す。現場では工場閉鎖もある一方、新規開設もあって悲喜こもごもだ。 
 CD 、MDといった音楽媒体はメモリーへと変化し、CDショップ が減っている。活字文化の書物まで電子書籍へと変化を始めている。
 長く続いたアナログ技術がデジタル技術に置き換わり、ビジネス環境は大きく変化した。アナログ技術が主流の時代は技術格差が大きく、日本は優れた技術大国となった。だが、デジタル技術は技術移転(コピー)が簡単で、追い上げが容易だ。ガソリン車から電気自動車への転換は、自動車製造技術のデジタル技術化でもある。
 21世紀、デジタル化された知識と情報こそが、企業にとって最重要資産となるであろう。

'10.11.30.朝日新聞 

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