散歩道<3791>
私の視点・中国人観光客(1) (1)〜(2)続く ・・・・・発想を変える
地方でこそ文化観光交流を
日本を30年近く歩き、各地で中国やアジアとのゆかり見つけてきた。岡倉天心*1が言ったように「日本はアジア文化の貯蔵庫」そのものだ。日本政府や自治体は、増え続ける中国観光客の興味を、中国にゆかりを持つ地方に振り向けることを考えてはどうか。それは、元気がないといわれる地方を経済的に活気づけるだけではない。両国民が共通の文化を持つことを再発見し、そこから生きる知恵を再び認識する機会になるはずだ。
たとえば、柳田邦男の「遠野物語」でも知られる「おしらさま」。馬と人間の娘が悲恋の末に神様になる物語が元になっており、東北地方では養蚕の神様などとして祀る(まつる)習慣が残っている。実は中国に藻も、似たような物語が古くから伝わる。
養蚕技術は中国からその昔、日本に渡った。江蘇省の古い町、盛沢鎮には蚕神を奉る「先蚕祠」があり、今も参拝者でにぎわう。「おしらさまコース」を訪問しあえば、両国の観光客はきっとそれぞれの日常生活に根付いた蚕神の現在に驚く。同時に、相互の伝統や風習を彼の地で見つけ、古今に通じる喜びを味わえるだろう。
そんな場所は日本の各地にあまたある。
「足柄の歴史再発見クラブ」(神奈川県開成町)によると、中国最古の夏王朝の祖・禹王(うおう)を治水の英雄として祀る石碑が日本の各地に16か所もある。今年11月27、28日には、開成町で全国禹王(文明)文化まつりが初めて開催されるという。
'10.8.20.朝日新聞・法政大学教授・王 敏(ワンミン)さん
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