散歩道<3769>

                           オピニオン・日本再生(2)                      (1)〜(2)続く 
                            女性の活用が成長の鍵

 非正規雇用の増加は、社会保険の保険料や税金の減収や未納に「つながり、財政の悪化を招く、本人も貧困に陥りやすく、将来は十分な年金も受け取れない。現在、高齢女性の4人に1人、一人暮らしの高齢女性に限ると半数以上が「貧困」状態にある。今の若い世代が高齢期を迎えたとき、この状況は改善されないばかりか。むしろ悪くなると、見込まれる。生活保護が必要となる人々が増加し、社会保障制度は危機に瀕(ひん)するだろう。
 では、この悪循環をどのようにして断ち切ることができるのか。難しい問いのようだが、実は私たちは先人の経験
*1に学ぶことができる。1970〜90年代のヨーロッパは、今日の日本とよく似た状況にあった。バブル崩壊後、長期の不況にあえいできた日本と同じように、当時のヨーロッパはオイルショック後の不況に苦しんでいた。高齢者人口割合が14%を超え、いわゆる「高齢社会」に突入したという条件も々である。失業率が上がり、若者は結婚できなくなって、結婚年齢は上昇し、出世率は低下した。
 苦悩の末にヨーロッパが選択したのは、性別分業を前提とした社会のしくみを変え、共働きを支援する制度をつくって、女性の力を活用するという道だった。不安定な雇用絵も、夫婦の収入を合わせれば暮らしていける。働く人口が増えることで、経済は活力を取り戻し、財政は好転した。出世率も上昇した。ヨーロッパ「再生」の鍵は、女性が握っていたのである。
 「女性」を社会保障の「お荷物」にするのか、社会の支え手に変えるのか。これまで女性の能力を無駄にしてきた日本社会は、女性を活用することで、まだまだ成長の余地があr。菅政権は、性別分業を組み替えるたもの総合的な政策実現を迫られている。


'10.7.28.朝日新聞・京都大学・教授・落合 恵美子さん

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