散歩道<3540>
社説・デフレ脱却・日銀から政府に逆提案を(2) (1)〜(2)続く
もっとも、膨大な借金を積み上げながら政府の歳出を増やし、超低金利を続けてもデフレから脱却できないのは、世界金融危機の衝撃もさることながら、日本経済に固有の構造的要因も働いているからだ。
将来への安心感がなく、少子高齢化は進む。市場がグローバル化する中で日本企業が苦戦し、海外に生産拠点を移していく。将来への悲観が強ければ投資したり消費する気にはならない。
最近は「デフレ脱却のために、長期国債を日銀が引き受けるべきだ」などという議論も聞かれる。だが、慢性病の患者にモルヒネを大量に打っても、病気が治るわけではない。
デフレである以上、日銀が当面は超低金利を続けるのは当然だ。
しかし、デフレ脱却には家計や企業が消費や投資を増やしたりすることが必要で、そのために政府がなすべきことは多い。この課題を日銀に押し付けてすむはずがない。
日銀は、物価の安定のためにもデフレ克服と成長のための戦略を、おくすることなく政府と国民に提言・発表すべきではないだろうか。
日銀が政府の仕事に口を挟むべきではない、との反発も予想される。しかし、役割分担の上で建設的な議論を深めてこそ、連携を強化できるはずだ。
'10.5.1.朝日新聞
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