散歩道<3525>
opinion・日英 官僚のあり方は(1)
英も昔は年功序列 「効率と効果」狙い 民間登用増やす(4) (1)〜(4)続く 自分流に纏めた
降格人事は難しい 給与さげなくても メンツが障害に
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・・・・官僚批判の一つに「秘密主義」がありますが、英国では。
「最近、官僚が何をしたかについて外からの監視が強くなりました。プロセスを正しく行ったかどうかをめぐる裁判がかなり増えています。たとえば空港を作るとき、NGOや住民運動の人たちが裁判を起こす。時々、国が負けます。裁判官は政策の中身でなく、手続きが正しいかどうかをみます」
・・・日本では重要資料がななかなか裁判の場に出てこないことがありますね。
「資料を隠すのですか?そっちの方が大変なことになりますよ。隠蔽(いんぺい)は一番いけないことだ」
・・・イギリスを参考にすると、日本の官僚はよくなると思いますか。
「そのまま移植しても良くはならないと思いますが、政と官の関係ではイギリスの経験が日本に役立つかと思います。民主党はあるレベル以上の官僚ポストを一つのプールにすることを検討していると聞きましたが。賛成ですね。ただ、官僚の降格、これは私たちもやろうとしましたが難しいですね。プライドの問題があるんですよ、日本語で言う『メンツ』というものが」
・・・メンツをつぶすような人事はなかなか困難だと。
「うちの場合、ポストは変わっても給与は下げないという制度でしたが、明らかにランクが下がるというのは非常に嫌がられます。そういう状況に置かれると、官僚はむしろ辞めてしまうんです。また、私は審議官をしていた時。局長クラスになるには外務省の「外」*1での経験がなければならないというルールをつくろうとしました。会社でもNGOでも、とにかく役所の外に出たことがないと昇進できないと。広い経験が必要だと思ったからですが、人事部はいい顔をしなかった。結局、できるだけそういう方向ででもルールにはしないとの結論になりました」
・・・改革論議が続いている日本の官僚制度への提言を。
「次のようなことを考えてみてはどうでしょう。第一に政治家と官僚の役割分担をはっきりさせる。私はわりあい民主党が言っていることに賛成なんです。第二に天下りをなくすこと。構造的な問題があるので非常に難しいと思いますが、日本の官僚はいろいろな経験や技能を持っているから自分で再就職できるはずです。第三、若い頃に出来るだけ役所の外で働くこと。第四、できるだけ能力に基づいて昇進する人事。第五、これは私の最大のお勧めですが、行政の『効率と効果』をどう評価するかを考えることです」
'10.4.23.朝日新聞・前駐日英国大使・グレアム・フライさん
備考:以前務めた会社も、*1「外」で1回は勤務することが昇格の条件にしていたことを思い出しました。
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