散歩道<3497>
opinion・新世界・国々の興亡<2>
過信が恐怖に 繰り返される金融危機・(2) (1)〜(4)続く 自分流に抜粋したものです
・・・・バブルが崩壊するたびに我々は、二度と起こすまいと誓ってきました。起った後の対処法より、バブルを未然に防ぐ予防が重要なはずです。その方法は見つかったのでしょうか。
優先順位は、金融危機の頻度や激しさを軽減する対策の打ち出しに置くべきです。例えば飛行機、自動車などの事故は、一世代前より大幅に減りました。安全性向上為の包括的な努力のたまものです。教訓に満ちているのが、故ダニエル・パトリック・ミイニハン米上院議員がかって採った公共政策です。それは、向こう見ずな運転をした人を起訴したり、ドライバー教育に力を注いで誰もが上手に運転できるようにすることではありませんでした。人間は過ちを犯す存在と考え、ドライバーにシートベルトを着用させたり、高速道路に制限速度を設けたりしたのです。人は変わらないと考えつつ、帰結を軽減する手法で自己率を5分の1以下になりました。
金融に必要な手法も同じです。人々が有頂天の状態に陥ることは二度とないとか、貪欲(どんよく)さが恐怖にとって変わることは再び起こらないとかいったことではありません。失敗の可能性に対し、現状よりも強固で安全なシステムを設計することです。
今後10年の金融政策の議論の中で、金融安定化の比重は大きくなると思います。もともと、私は(金融政策における)インフレターゲット論に少し懐疑的でした。その理由の一端は、金融政策が考慮すべきリスクは、もっと幅広いと感じていたからです。当局が、金融市場の頂点と谷を見極められるようになることで、システムが機能するようになるという期待は抱くべきではありません。政治家にはバブルの特定を期待するのはやりすぎです。事故や損失は発生するものの、システム全体が壊れることはなく、何千マイルも離れた労働者の雇用を脅かさないようにするほうが理性的な目標です。
・・・・市場に倫理的ルールを確立するにはどうすればよいのでしょう。アダム・スミスが「道徳感情論」で記しているように、ビジネスでは相手の視点で者を考える、ということでしょうか。
規制強化の必要な理由の一つは、それが倫理を高めることに繋がるからです。規制緩和された世界の難しさは、底辺に向かっての徹底した競争に繋がる点にあります。グレシャムの法則「悪貨は良貨を駆逐する」です。自分の顧客に誠実であろうとする人たちの大半は、商品を大げさに宣伝しリスクは隠す人を罰するルールがなければ、負けてしまいます。適切な規制は、利益を上げる一方で良心持って仕事をする大半の人々に力をもたらします。
'10.4.6.朝日新聞・米国家経済会議(NEC)議長・ローレンス・サマーズ 聞く人・朝日新聞主幹・船橋洋一氏
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