散歩道<3438>
 

                     社説・耕論・グーグルに見る米中情報戦(1)             (1)〜(3)続く
                        権威脅かす「自由」な中国人

 歴史的に見れば、中国と西洋にも、いつも緊張関係があった。ポルトガルやスペインから宣教師たちが訪れたころからはじまっていたことだ。
 こうした緊張関係が生じる原因の一つは、日本の徳川幕府時代と同様のやり方で、中国が政治的な秩序を保ってきたことによるものだと思う。韓国についても言えることだが、中国では権力が正統性に依拠している。
 その正当性を脅かしたり、正当性に挑戦するものは、既存の秩序への挑戦と見なされる。それが緊張関係の源泉となり、中国の共産党政権は、人々がどう振舞うかではなく、どう考えるのかまで管理しようとしている。それだけに政府の管理下にない情報は、宗教であれ、文化であれ、政治であれ、すぐに脅威だとみなされる。家父長主義の一形態ともいえる。
 だからこそ、中国政府の官僚たちは、中国の人々のことをまるで自分たちの子供のように扱う。当局者たちは、管理できない情報は「人々を混乱させる」ものだという。人々はある一定の方向の思考をしなくてはならず、さもなければ無秩序になるという主張だ。
 中国では古い国家体制は崩壊し、共産主義国家になったが、そうした考え方は変化していない。これが問題の根底にある。

'10.3.14.朝日新聞・著述家、米バード大教授・イアン・ブルマさん

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