散歩道<3306>

                            社説・激動の世界の中で(3)                      (1)〜(3)続く

 アジア新秩序に生かす
 アジアには経済を中心に、多国間,二国間で重層的協力関係が築かれるだろうし、いずれ「共同体」が現実感をもって協議されるだろう。
 だが地域全体として軍備管理や地域安全保障の枠組みをつくるには、太平洋国家である米国の存在が欠かせない。そうした構想を進めるうえでも、日米の緊密な連携が前提となる。
 日本が米国と調整しつつ取り組むべき地球的な課題も山積みだ。アフガニスタン、イラク、などの平和構築。「核のない世界」への連携。気候変動が生む紛争や貧困への対処。日米の同盟という土台があってこそ日本のソフトパワーが生きる領域は広い。
 むろん、同盟の土台は安全保障にある。世界の戦略環境をどう認識し、必要な最低限の抑止力、そのための負担のあり方について、日米両政府の指導層が緊密に意思疎通できる態勢づくりを急がなければならない。
 日米の歴史的なきずなは強く、土台は分厚い。同盟を維持する難しさはあっても、もたらされる利益は大きい。
 「対米追随」か「日米対等」かの言葉のぶつけ合いは意味がない。同盟を鍛えながらアジア、世界にどう生かすか。日本の政治家にはそういう大きな物語をぜひ語ってもらいたい。

'10.1.1.朝日新聞