散歩道<3293>
                     社説・鳩山政権の予算案・仮説住宅を百年建築へ(3)              (1)〜(3)続く

積み残された真の課題 
 般会計92兆円は巨額の国債と、当別会計などの「埋蔵金」に依存している。埋蔵金の多くは積立金や基金の取り崩しで、毎年使える財源ではない。予算全体がいわば耐用年数1年限りの土台の上に建てられた仮住まいだということを忘れてはならない。
 めざすは百年、二百年の長きにわたって使える住まいだ。老いも若きも、子育て世代や将来世代も共に快適に暮らし続けることが可能な経済社会。それを支えることのできる財政システムである。堅固な土台や柱、つまり安定財源が欠かせない。
 今後の財源として有力なのは消費増税だが、自公政権は増税を先送りしてきた。鳩山首相も機能、「4年間は消費税増税をしない」と述べた。
 だが国家運営と国民福祉に責任を持つ政権が、持続可能な財政から目をそむけ「続けることは許されない。こども手当てひとつとっても、財源を将来にわたぅて確保しようとすれば、この問題を避けて通れない。
 こども手当を翌年度から2万6千円にひきあげるには5兆円の恒久財源が必要になる。今回ほぼ使い果たす埋蔵金はもはやあてにできない。
 来年度は見送られた環境税も、環境エネルギーの総合政策とセットで早急に実現を図ることが必要だろう。
 この意味で、「国民の生活が第一」という政権公約の土台は危うく、重要な課題が積み残されたままだ。


財政と成長の戦略を
 鳩山政権は財政再建の戦略を早急につくるべきだ。中長期の目標と、そこにいたる道筋、必要な増税規模を国民に示し、理解を求め、実行に移す。それが王道ではないか。
 そのために欠かせないのが、しっかりした成長戦略だ。
 鳩山内閣には、崩れかかった国民の生活基盤を再興しようとい強い意欲はある。だがそれだけで国民の安心は築けない。
 政権を取り巻く経済環境は来年も厳しい、デフレ脱却の目途は立っていないし、米欧経済も低迷しており輸出環境の劇的な改善も期待しにくい。だからこそ、あすの日本の産業と雇用の基盤をいかに築いていくのか。政権のメッセージが欲しい。
 成長が期待されるのは、地球規模の課題となった環境・超高齢化社会を支える医療・介護、膨張するアジア内需などの分野である。これらの有望市場を切り開き、日本経済成長の糧にする。その戦略を描くことは鳩山政権に課せられた任務だ。
 菅直人副総理兼国家戦略相が率いる国家戦略室が中心になって、近く成長戦略をまとめるという。政権をあげて取り組む意気込みを期待する。


'09.12.26.朝日新聞

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