散歩道<3264>

                        経済気象台(524)・この道は・・・・

 日本航空の債権は「企業再生支援機構」を通じて、実質的に官主導によって行われることになった。はなはだ理解に苦しむ。
 そもそも日航は日本を代表するナショナル・フラッグ・キャリアとして官主導のもとに設立され、陰に陽にその指導庇護を
(ひご)を受けてきたことは周知のことだ。その結果として、多くの赤字路線を押し付けられ、経営破綻(はたん)の一因にもなったことも伝えられるとおりだ。企業形態はどうであれ、日航の現在に実質的責任を持つべきものが再び再建の当事者となる、ということは全く理解し難いことである。
 政府は日航がなくなれば日本の航空行政は成り立たなくなるというが、そのような独占的地位を日航に与え続けた結果がこうなったのであって、本末転倒の議論である。かってアメリカを代表した航空会社パンアメリカンはすでにないが、代わりはいくらでも出てきた。これが米国の強さだ。
 企業経営というのは官のよくするところではない。それは、あのソビエト連邦のさんたんたる結果をみれば明らかである。いわんや,民間の専門家がもてあました企業を官が再生できるはずもないのであって、5年もたてばまた今までの繰り返しになるであろう。その責任はいったい誰がとるのか。はたまた過去から現在に至るさんたんたる航空行政の責任はどうなっているのか。その点について反省、説明もなく、またまた税金をつぎ込む仕掛けを作る神経はとうてい理解できるものでもない。
 根本的問題は、独善的な官僚行政の改革にある。日本航空の処理には私企業の論理を貫くべきだ。注ぎ込む金があるのであれば、財政窮乏の折、他の景気対策に用いるべきである。

'09.11.17朝日新聞