散歩道<3261>

                        経済気象台(521)・資産価格バブル

 将来の金融危機を回避するための新たな金融規制や中央銀行の役割に関する議論の中で「資産価格バブルの発生を防げないのか」という議論がある。
 歴史的に見てラテンアメリカ危機、米国S&L危機、日本やスウェーデンの不良債権問題、米国ヘッジファンドLTCMバブル崩壊、米サブプライムローンに端を発した金融危機など様々なバブルが発生し、崩壊してきた。
 資産価格バブル発生の経済環境を見ると@低インフレで安定的な高成長期A技術革新や規制緩和の中での生産性向上B低金利の継続期待C新しい金融商品に内在するリスクを管理できるとみた経営者の過信などが挙げられる。
 金融政策を通じての物価安定を目標としている中央銀行の資産価格安定に関する役割は重要である。資産価格のバブル発生とその崩壊を防ぐには、消費者物価指数などに着目した従来型の物価安定策では不十分だ。ただし、土地や株式など特定の投資対象の売買規制の実施や、特定の投資対象への金融機関の融資規制もまた困難だろう。
 中央銀行の役割は、融機関のバランスシートチェックによる特定の投資対象者への偏った融資やローン残高の増加速度、金融機関自身がテバレッジをかけすぎたバランスソシート運営をしていないかなどの監視がある。それに、特定の資産価格が異常に上昇していないかの点検。これらを通じて早期にバブルの兆候を読み取り市場に警戒警報を発することだ。
 しかし、資本主義の世の中で、中央銀行だけで資産価格バブルを予防することは難しい。やはり重要なことは、投資家や金融機関経営者による自己規制だと思う。

'09.11.12.朝日新聞