散歩道<3231>

                    経済気象台(507)・CO2 25%削減に向けて

 COP15へ向け温暖化ガス削減に向けた議論が活発化してくることが予想される。日本においても、鳩山首相が2020年までに温暖化ガス25%(1990年比)削減を表明している。そうした動きの中で、日本政府が企業ごとに温暖化ガスの排出量削減目標を定め、義務化しようという声があることが懸念される。
 鉄鋼や自動車産業界の生産活動による昨年度の温暖化ガスの排出量は、2007年度に比べ2けたのマイナスとなったが、大半は昨年秋からの世界大不況による生産縮小によるものである。日本全体では、工場から排出量は順調に減っているのに対し、運輸部門や家庭、オフイスからの排出量は増加傾向にある。
 25%削減を国内だけで達成するには、太陽光発電を現状の約55倍、HEVを今後の新車販売の95%にしなければならないという。ところがそれら製品の製造工程はより複雑で、1台製造するための温暖化ガスの排出量は従来製品に比べて多くなり、結果として企業の排出量は大きく増加。企業としては、生産を抑制するか、生産拠点を海外に移すしかなくなってしまう。
 対策として、各メーカーで生産された太陽光発電装置やHEVなどが市場で使用され、温暖化ガス削減貢献した分をメーカーの削減数値として組み込もうという声が一部の業界から上っている。この方式であれば、日本でこれら製品の生産を増やしても、製品の使用によって削減される分が企業の削減量として加算されることになる。
 日本企業の環境関連技術及び産業の海外流出を避けつつ、日本における温暖化ガスの排出削減を実現する良策ではないだろうか。

'09.10.21.朝日新聞