散歩道<3166>
社説・リーマン・ショック1年(2) (1)〜(2)続く
・・・なぜ、そのような指示を出したのですか。
「71年のニクソン・ショックや85年のプラザ合意を思い出してほしい。突然の政策変更で、急激な円高ドル安が進み、米国債に多額の投資をしていた日本の生保は大損した。ドルの価値は信用しているが、投資先の分散という鉄則は守らなければならない。リスクは数式で計れない。歴史観が問われる」
・・・しかし、リスクを過度に避けると、低収益に甘んじることになりませんか。
「大もうけする必要がなぜあるのか。一部に大富豪がいて、中産階級が消えれば、社会の安定性が失われる。30年代の大恐慌はニューディル政策などの財政支出で克服できたわけではない。即効性はなくても、富裕層に税金をかけ、低所得層への失業保険制度を作るなど、社会に安心感を与えたことが大きい。将来不安に対するビジョンが求められている」
・・・金融危機から、我々は何を学ぶべきでしょうか。
「金融の本来の役割は、ものづくりにお金を供給し、生産性を上げ、経済学はもともと『モラル・エコノミクス』とよばれていた。倫理、道徳があってこその経済であることを肝に銘じるべきだ。欧米の金融機関の一部では高額報酬が復活しているが、節度のない欲望はカタストロープ(破局)に至る。これを忘れると、また危機は繰り返されるだろう」
'09.9.24.朝日新聞・日本生命会長・宇野郁夫氏
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