散歩道<310>

                      
面白い話(33社用族・サイレン


かたえくぼ:3月の風物詩:道路工事です・・・・・・・・・・・・・・写真家(バカボン)

                         流行から生まれた流行語「社用族」

 敗戦直後の昭和22年、当時の流行作家、太宰治が戦争で落ちぶれたかっての上流階級の人びとの生活を描いた小説「斜陽」を発表するや「斜陽族」なる語がたちまち流行語になった。世は移り昭和25年、朝鮮戦争による軍需景気に世の中がわき始めると、会社の接待費で豪遊する「
社用族」が、銀座かいわいに出没しはじめた。この社用族、いうまでもなく斜陽族のもじりだが、一方は、没落の悲哀を、もう一方は隆盛の享楽を表わした対照の妙があった。さらに世は移り、石油ショックに続く不況。さしもの栄華を誇った社用族も斜陽族に転落、夜の銀座もぐんと静かになったとか。(樋口清之)


                           男心をそそる歌声「サイレン」

 今から約3000年まえ、ギリシャで活躍した盲目の大詩人ホメロスが書いた叙事詩「オデュッセイア」には、半人半鳥の海の精が登場する。地中海のシチリア島の近くの小島に住み、その美しい歌声で近くを通る船乗りを誘惑し、海に落として殺したという。この美声の持ち主が
セイレーン。船乗りたちは、こうした事件が重なるうちに、誘惑されるのはいいが命は惜しいと、美声が聞こえても、用心し、警戒するようになった。今のように、「ウーウー」というけたたましい音で歌ったわけではなかろうが、消防自動車のサイレンの音が聞こえたら、なにはともあれ用心することが肝心だ。