散歩道<3099>
経済気象台(482)・新国富論
総選挙を前に経済政策を含めた「政権公約」花盛りである。それはそれで国民へのサービスであるから良しとしよう。ただ、このような大盤振る舞いで誰しも気になるのは、財源の問題である。
各党ともこの点は、現在の体制の中からひねり出すことになっているようだ。いずれにしろ、そこから出てくるのは一過性のもので、長期的な視野に立ったものではない。要はこの国の富を、いかにして増やすか、という視点がないのではないか。
「大企業からとればよい」と簡単に言うが、これは、金もうけを一度もやったことのない評論家の妄言だ。そんなことを言っている間にも、本来、この国の富となるべきものが、国外に「流出」している。
企業は利益を追求する場である。グローバル世界で企業は、国を越える存在になつた。結果として日本の大企業は世界に散らばり、各国にノウハウを与え、各国の富の発展に寄与してきた、あえて言えば、中国を含めてアジアの時代の基盤を作ったのだ。
それはそれで結構なことである。しかし日本から見れば、相対的に富は失われたともいえる。過去10年の日本の沈滞は、ここに起因している。この国のあり方自身に問題があるのだ。
官僚を中心とした独善的な東京一極体制は、この国を今や非生産的、非能率的国家としてしまった。一方、地方には荒廃した土地が有り余っている。
やり方によっては、米カリフォルニア州のシリコンバレーでのソフト産業の存在に匹敵する、「先進精密加工国家」ができるというのに、考えてみれば、わが国の面積は同州と同程度なのだ。