散歩道<2959>
経済気象台(452)・米国の銀行処理の可能性
米国では過剰流動性が退潮期に入り、住宅に始まり、ほとんどの資産価格が下落に転じている。値上がり益を目当てに借金をして買った資産を、損を覚悟で売るとなると、残るのは返済しきれない借金の山である。
それを受けて、自己資本に比べると多額の損失が生じているのではないか、と危惧(きぐ)される銀行も現れている。この局面で、米国政府には銀行処理という重い課題がのしかかる。ところが、財政負担を避けるためか、いろいろな支援策を作成はしているものの、政府が処理を積極的に進めているようには見えない。
しかし、過剰流動性の収縮の過程で銀行が発行する債券の期限の存在により、銀行自らが処理を選択せざるをえない状況にに追い込まれることになりそうだ。
銀行は預金を集め、多額の債権を発行して、貸すための資金を調達している。預金は預金保険の対象となっており、元利支払いは守られるので安定している。他方、債権となると事情が違う。
債権の元利支払いが滞るのではと市場が懸念すると、銀行は債権借り換えができなくなる。その時点で、銀行は債権投資家に債権と株式との交換を求める。銀行の自己資本が増え、不良債権の損失と相殺できるからだ。自己資本が残れば銀行は存続でき、残らなければ処理の対象となる。 債権投資家としては、銀行からの申し出に応じたくはない。約定通りに元利支払いを受け取る債権保有から、どういう価格になるのかつかめない投機的な株式保有となるからだ。とはいえ、銀行が処理手続きに入ると、債権は大きく切り捨てられる可能性がある。多少ましでもあれば、結局は同意することになるようでである。
'09.5.8.朝日新聞
備考:'09.6.15.ADSLから光ファイバーに代える、'09.6.19.から、元の生活パターンに戻る。