散歩道<2952>
凋落 アメリカの夢(2) (1)〜(4)続く
写真はルート66
繁栄の碑 いまや「墓標」
綿をちぎったような白雲の影が、ゆっくり地面を横切っていく。地平線を背に、中古キャデラックが10台、大地に突き刺さっていた。テキサス州北部アマリロにある公共芸術「キャデラックランチ」である。
1974年に地元の富豪スタンレー・マ−シュ氏が資金を提供し、3人の芸術家の若者に制作を委ねた。誰もが勝手に作品に手で触れ、落書きをしてもいい決まりだ。49年から63年にかけ、GMの最盛期に生産されたキャデラックは、ぶ熱い原色の塗料で覆われている。
「キャデラックは若者にとって、着飾った美しい女性のような存在だった。アメリカの若者は、みな車に恋をしていた」とマ−シュ氏はいう。
マ−シュ氏は。車文明の記念碑のような作品を望んだ。だがGMの「破綻」で、作品は別の意味を担いつつある。
「すべてのものには始まりがあり、終りがある。大地に半分ささった作品は、今となっては、アメリカ車の墓場のように見える」と、先月26日、案内をしてくれた地元の彫刻家ルドウィグ・クーンズ氏がつぶやいた。
製作した芸術家の一人、カリフォルニア大サンタクルーズ校で教えるチップ・ロード教授は「作品を作ったのは第1次石油ショックの翌年。石油大量消費社会の限界が見えた時期だった」と振り返る。アマリロを選んだのは「もちろんルート66号沿いだったからだ」という。
'09.6.2.朝日新聞・編集委員・外岡 秀俊氏
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備考:我々が日本で外車(アメリカ)を見た、1962(s47)当時は、外車はガソリンを撒きながら走る車であるという見方をしていた。
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